アンドレアジアレッティ氏 Andrea Giaretti

アンドレア
ジアレッティ氏に聞く

INTERVIEW

Andrea Giaretti氏(SIXTE)
インタビュー

─現在の企業、中小企業は継続的に新分野を開拓し新たな事業を実現させていく必要があります。EU圏には、人、もの、サービスの自由な移動という大きなメリットがあります。しかし一般的にいえば、少なくともビジネスの世界で国境を越えることは容易ではありません。その意味でオンラインビジネスは常に起業家や現代経済を支え、重要な役割を果たしてきたのではないでしょうか。
オンラインのプレゼンスにより、国境を越えて起業家や中小企業、さらには異なる国の顧客までもが簡単につながるようになっています。これにより新たな業務提携、新たな国際ビジネスの誕生とその発展がより簡単に、よりスピーディーに行われるようになりました。また新規事業の公開が簡素化されたことで、多くの企業がより幅広い顧客ターゲットに商品やサービスを提供し、売上高を大きく増加させることが可能となっていますね。
─海外ビジネスに多くの困難があるのは当然で、オンラインとオフラインの両面で事業計画の段階からアドバイスを受けられるとするならばこれは大きなメリットです。しかし私も含め外国企業の場合、全体像を含めたネットワークを構想する、というのは一般的に言えば困難です。これはあなたのような専門家とともに初期段階から、つまり事業計画の段階から向き合わなくてはならない問題ですね。
事業計画の段階は、海外での事業の開始や拡大を決定する際に最も重要なフェイズの一つです。
一つ一つのフェイズを詳細に設計することで些細なミスを避け、投資予算を最適化し、より穏やかで収益性の高い方法による目標達成が可能となります。事業計画フェイズの欠落は、開発期間を長期化させ、プロジェクトの失敗に直結するリスクがあります。常に行動を起こす前に計画を立てることをお勧めしています。
─総括的コスト抑制の観点からも、事後判断より事前対策の方がやはり重要ですね。つまり事業の規模に関わらず、戦略的でなければならないと。
まさに、先に明確にされたように成功の可能性を飛躍的に高めるためには事前の対策が非常に重要となります。この点を無視するとプロジェクト失敗の確率は明らかに上がるでしょう。
─たとえば、日本の起業家や中小企業が電子商取引(Eコマース)を利用してイタリアやEUで販売ネットワークを構築するとします。チェックすべき点やアドバイスはありますか?
電子商取引を介したイタリアまたはEUにおける販売網構築について決定を下すのは、非常にデリケートなプロセスです。遠隔販売とAmazonやeBayなどのマーケットプレイスの存在は、一刻も早く商品を受け取りたいといった、顧客メンタリティを気難しく、要求の多いものに変えています。もし物理的な製品を販売するのであれば大幅に輸送と通関コストを削減できるよう、また迅速かつ効率的な顧客サービスを提供できるよう、現地倉庫と現地担当者の活用を検討することをお勧めします。商品の品質に加え、注文した商品の納期もより重要な要素の一つとなっています。もしすでにECサービスの提供をしているのであれば、質問に対する回答と問題の解決に要する時間がますますアグレッシブになっている競合他社との差別化要因となります。
─少々話がそれます。あなたのオフィスはスイスに置かれており活動拠点はEU圏外です。スイスのビジネス環境についてはどう思われますか?
スイスのビジネス環境は、他のヨーロッパ諸国に比べて、上位ではないとしてもリーンで無駄のない官庁機構と税負担で、依然として起業家活動の成長を刺激しています。さらにスイスにプライマリまたはセカンダリオフィスを持つ他の起業家との有益なコラボレーションを容易に開始できます。これに加えて、スイスの生活の質というものがシンプルかつ刺激的に起業活動を発展可能にしていると言えるでしょう。
─ありがとうございます。日本の起業家・中小企業に向けてメッセージをお願いできますか。
海外市場が皆様のビジネスに転換点を与えることができると思われるならば、躊躇する必要はありません。海外市場に確信を持てないならば、もう一度考えてみてほしいのです。
海外市場でビジネスを発展させていくことは、売上高を拡大し、事業を成長させるための最良の方法の一つです。
事業開発計画を立て、そのプロセスにおいて確かな包括的支援ができる人々に専属的に委ねていくことをお勧めします。献身的なチームを近くにおくことで、このプロセスをスムーズかつ有益に行うことができるでしょう。
bear
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